Exhibition

不在の言葉

古本まつりで賑わう神保町の裏路地で、ひっそりと「福田尚代展」が始まった。 喫茶「さぼうる」隣の「gallery福果」にて、1日から13日まで。詳細は、こちら 福田氏はこれまで、「言葉」に対する独自の感覚を、書物・手紙・名刺などを用いたオブジェや回文で…

ファルネーゼ・コレクションとナポリ・バロック

「カポディモンテ美術館展」(@国立西洋美術館)に行く。 カポディモンテ美術館は、ナポリの国立美術館。元は、ナポリ王カルロ7世(のちスペイン王カルロス3世)が1738年に建造を始めたブルボン家の宮殿。現在は現代美術までカバーする美術館だが、コレク…

線の探検

瀧口修造の光跡 II 「デッサンする手」(@森岡書店)に行く。 瀧口修造研究家・土渕信彦氏所蔵のドローイング・水彩・デカルコマニーなど、約30点を展示。今日から7月10日まで。 白く静謐な空間で、ゆっくり「文字でもなく、絵でもない線の探検に耽る」(「…

長谷川潾二郎のまなざし、洲之内徹のまなざし

「長谷川潾二郎展」(@平塚市美術館)に行く。 片方しかない髭のエピソードで有名な「猫」、洲之内徹が神田の古道具屋から2000円で買ったという「バラ」、その洲之内が最高作と評した「時計のある門(東京麻布天文台)」などの代表作を含む124点を展示。ほ…

李朝の「木偶」展

「李朝の「木偶」展 豊饒な葬いの群像」(@茶房 李白、6月20日まで)に行く。 「木偶」(モグ)とは、朝鮮で葬儀に使われていた喪輿(サンヨ)を装飾する木彫りの彩色人形。19世紀後半から20世紀半ばまでのもの約100点が、韓屋を模した茶房の李朝家具に、直…

佐伯祐三の下落合

「佐伯祐三展―下落合の風景」(@新宿歴史博物館)に行く。 パリからの一時帰国時代(1926-27年)に描かれた連作「下落合風景」13点に焦点をあてた、新宿ならではの企画。目白文化村などのハイカラな洋館ひしめく街並ではなく、電柱が立ち並ぶ通りや日本家屋…

ロシア構成主義のまなざしを言葉で

ミュージアム・アクセス・グループMARの鑑賞ツアーに参加する。視覚障害者と見える人が言葉で一緒に美術鑑賞しようという試み。参加者19人、うち視覚障害者7人。視覚障害者ひとりにつき見える人だいたい2人という組み合わせでグループ分けがなされる。 今…

ボルゲーゼの名品を言葉で

「ボルゲーゼ美術館展」(@東京都美術館)に行く。月曜日は本来休館日なのだが、今日は企画展ごとに設けられる「障害がある方々の特別鑑賞会」の日で、障害者とその付添いを無料で入れてくれるのである。 これまで視覚障害の方と何度か言葉で美術鑑賞をして…

社会派にウケるマッキアイオーリ展

招待券をもらったので、「イタリアの印象派 マッキアイオーリ展」(@東京都庭園美術館)に行く。19世紀後半、「マッキア(斑点)」の技法でイタリア美術にリアリズムの革命をもたらした芸術家グループの回顧展。日本では30年ぶりなんだとか。 しかし、トス…

DOMANI・明日展

国立新美術館で、「DOMANI・明日展2009」を見る。文化庁の在外研修制度で海外派遣された芸術家12名のグループ展。高野浩子氏と、浅見貴子氏の作品に惹かれた。高野氏の作品は、思い出・記憶がモチーフ。「思い出についてIV」では、天井近くまで積み上げられ…

槐多のガランス

渋谷のポスターハリスギャラリーで、アトリエ空中線10周年記念展「インディペンデント・プレスの展開」を見てから、松濤美術館の「没後90年 村山槐多 ガランスの悦楽」展に行く。 絵を描き、詩をつづり、歌を詠み、小説戯曲を書いて22年5ヶ月を生き去った村…

冷泉家の秘籍

東京都美術館の「冷泉家 王朝の和歌守(うたもり)展」に行く。藤原俊成・定家を祖に持つ冷泉家によって、800年にわたり守り伝えられてきた和歌の典籍類が一挙公開されている。今日は本来休館日だが、企画展ごとに設けられる「障害がある方々の特別鑑賞会」…

美術は言葉に翻訳できるか その2

埼玉県立近代美術館の「視覚障害者と楽しむ美術作品鑑賞会」に参加する。同県主催では初の試みだそうだが、後援がミュージアム・アクセス・グループMARなので、事実上はいつものMARの鑑賞ツアーである。東京都美術館の人が偵察に来ている。視覚障害者一人に…

リーヴル・オブジェ

浦和に来たついでに、うらわ美術館の「オブジェの方へ―変貌する「本」の世界」を見る。未来派から現代作家までの、「本」をテーマとした作品の展示会。1時間半くらいいたが、客はほぼ自分ひとりという盛況ぶり。以下、個人的に面白いと思ったもの。 イー・ジ…

読む人のアウラ

昼過ぎから「林哲夫 読む人スケッチ展」を見に、深川資料館通り商店街のカフェ&ギャラリー「深川いっぷく」へ行く。おでこを怪我したピーマン星人氏が目印。 日常風景から、おっちゃん・にいちゃん・ねえちゃんたち(おばちゃんいたかな?)が、何かを読ん…

本の未来、eureka!?

月曜は仕事休み。 午後から歩いて穴八幡の早稲田青空古本祭に行く・・・が、雨天中止なり。去年までテント張ってやってなかったか?ほんとに青空市になってしもた。閑散とした境内でビニールシートだけが青々と映えていた。 気を取り直して神保町へ。 内藤吐…

美術は言葉に翻訳できるか

仕事のあと、ミュージアム・アクセス・グループMARの鑑賞ツアーに参加。視覚障害者と晴眼者がペアになって、言葉で美術を鑑賞しようという試み。10年くらい続いていて、私は2度目の参加。今回の参加者は20人弱。 今日は国立新美術館の「光 松本陽子/野口里…