2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

佐伯祐三の下落合

「佐伯祐三展―下落合の風景」(@新宿歴史博物館)に行く。 パリからの一時帰国時代(1926-27年)に描かれた連作「下落合風景」13点に焦点をあてた、新宿ならではの企画。目白文化村などのハイカラな洋館ひしめく街並ではなく、電柱が立ち並ぶ通りや日本家屋…

ロシア構成主義のまなざしを言葉で

ミュージアム・アクセス・グループMARの鑑賞ツアーに参加する。視覚障害者と見える人が言葉で一緒に美術鑑賞しようという試み。参加者19人、うち視覚障害者7人。視覚障害者ひとりにつき見える人だいたい2人という組み合わせでグループ分けがなされる。 今…

杏仁シェイクとシェイクスピア

最近はまっているダイドーの「ひんやり杏仁シェイク」。 「盛りつけ例」とあるが、決して鉢に盛りつけて食すものではない。 だが中身は杏仁豆腐そのもの。このように5回以上振ってくずして飲む。振る回数によってのどごしを変えられるのがよい。 さて今日は…

点と線

一昨日キノコノクニヤ書店で買った本。子供が喜ぶ遊び百科。 なんでこんなの買ってしまったかというと、 孫に暗号で手紙を書いてみよう、という頁が目に留まったから。 この暗号、サイモン・シンによれば、 一七〇〇年代にはフリーメースンのメンバーたちが…

シームレスな知のプラットフォームを

日本の古本屋シンポジウム「滅亡か、復権か―大規模デジタル化時代と本の可能性」をustreamで聞いて思ったこと。頭に残った言葉をつないだらこうなった。デジタル化時代にも、デジタル化の網からこぼれ落ちるアナログな知は相当数存在するだろう。そんな時代…

至言

キノコノクニヤ書店でもらったオリジナル栞。 言語センスに秀でた書店なり。 わが家から最寄りの古本屋である。 系列店名も秀逸。 ちなみに諏訪通りのばーばー書店は最近閉店した。 実はグラフィックセンスにも秀でている。 あまり長いこと見つめてはいけな…

忘却術が語る明治記憶術ブーム

宮武外骨によれば、記憶術の流行に対抗して彼が『忘却法』を公にすると、それを真似た類書が出たという。真偽のほどは定かでないが、確認できた明治期の忘却術に関する著作を年代順に並べてみると、なるほど外骨の書が嚆矢となっているように思われる。 宮武…

明治記憶術ブームの記憶

その1 「団団珍聞」第1030号、明治28年9月28日付 ○記臆屋 礫水道人 一軒記臆屋の店が出来るト向ふにも出来隣にも出来一軒置た隣又その隣ト出店が先から先へと出来るのみか記憶の荷を背負て競り売りするものさへ有て記憶術の 声は耳に絶えぬが是も矢張り記憶…

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今日のカレントアウェアネス-Rより。http://current.ndl.go.jp/node/16065 ハーバード大学図書館、「読むとは何か?」の歴史研究に役立つオンラインコレクションを公開 Posted 2010年4月8日 ハーバード大学図書館は、「読むとは何か?」ということの知識的、…

明治記憶術ライブラリー

明治の記憶術ブームを取り上げた『記憶術のススメ―近代日本と立身出世』(岩井洋、青弓社、1997年)では、明治期に刊行された記憶術書として24点があげられていたが、ハウツー色の強いものや百科全書の記事等まで含めるともう少し数が増える。以下、刊行順に…

明治の記憶術書を読む その1

山岸利策 編 『ワデル先生秘訣 健胃記臆増進 薬剤法秘書』(第10版) 山岸利策 発行、明治28年7月 古書価3,000円也。高いんだか安いんだかよくわからない代物。文庫本ほどのサイズ。初版は明治25年6月。国立国会図書館の近代デジタルライブラリーで、28年4…