2010-01-01から1年間の記事一覧

Enchiridion 26-1 モンテーニュ その1

ミシェル・ド・モンテーニュ 1533-1592 書物との交際は、それ※よりもはるかに確実で、はるかにわれわれ自身のものである。これはほかのいろんな長所では初めの二つに劣るけれども、その奉仕が常に不変で手軽だという長所をもっている。そして、私がどこへ行…

Enchiridion 25-6 ロジャー・アスカム その6

※以下は、英語もギリシア語やラテン語と同じくイアンボス調に対応できる、という主張のあとに続く文章。 だが、みな無知と怠惰のために、少しも極めようとしたがらないし、そうしようと努めもしない。アテナイとローマの偉大なる詩人たちは、粗野な大衆のご…

DOMANI・明日展

国立新美術館で、「DOMANI・明日展2009」を見る。文化庁の在外研修制度で海外派遣された芸術家12名のグループ展。高野浩子氏と、浅見貴子氏の作品に惹かれた。高野氏の作品は、思い出・記憶がモチーフ。「思い出についてIV」では、天井近くまで積み上げられ…

Enchiridion 25-5 ロジャー・アスカム その5

※その3・4は抜粋集に関する節からだったが、以下は模倣に関する節からの抜粋。 それ〔模倣〕によって何を習い学ぶにせよ、われらが修辞学教室では、書くにも話すにも、選り抜きの少数者、これと決めた一者に拠るべきである。肖像や絵画の技法を学ぶとしよう…

Enchiridion 25-4 ロジャー・アスカム その4

だが、抜粋集が手紙や何かといった日常的な書きものに巧く活用されているかというと、さにあらず、それはまた大著をものす場合も同じで、必ずしも使われていない。もっとこれを日ごろからよく読み、抜かりなく参照して引くべきだ。というのは今や、一人が筆…

書斎は人なり

最寄の諏訪神社に初詣したのち、購書始めとて松屋浅草の古本まつりに行く。 『父乃書斎』 三省堂、昭和18年 文人・学者ら33名の息子娘による、父の書斎のメモワール。雑誌『書斎』に昭和15年8月号から18年1・2月合併号まで連載された同名随筆をまとめたもの…

琴所探訪

ローカルな話題ふたたび。 伴蒿蹊 『近世畸人伝』 (岩波文庫、東洋文庫、中公クラシックスほか) この江戸時代のオモシロ人物伝に、彦根の隠士・澤村琴所(1686-1739)なる漢学者の伝がある。 彦根隠士維顕、字伯楊、澤村氏、號琴所、通名は宮内。國侯の世…