保忌

高祖保よ、私は君の死を未だ信じたくはないのだ。私は、ビルマで生きつづける君を信じる。いつの日か、ビルマへ行くことが出来たなら、必らずや、君は、美しい老年をまとつて、やさしく私の手をとつてくれることと信じてゐる。

岩佐東一郎 「高祖保を憶ふ」『風船蟲』 青潮社、1950年、136頁