Enchiridion 20 トマス・ア・ケンピス

トマス・ア・ケンピス 1380-1471

審判の日が来るとき、私たちが糾問されるのは、何を読んだか、ではなくて、何をしたか、であろう。またどれほど巧みに話したか、ではなく、私たちがどれほど教えに遵って生きたかであろう。
『キリストにならいて』 第1巻第3章
〔『キリストにならいて』 大沢章・呉茂一訳、岩波文庫、1960年、20頁〕


もし為になることを―残りなくえようと欲するならば、謙遜に、すなおにまた忠実に読むようにし、けして学問があるなどいう、評判をえようと望んではならない。
同上 第1巻第5章
〔同上、22頁〕


Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enchiridion, 5th ed., London, Simpkin, Marshall & Co., 1888, pp.13-14.

※死にのぞんで述べたという、次の言葉の方が愛書家の心をくすぐるのではなかろうか。

私はすべてのもののうちに安静を求めた、けれど、この小房の一隅と書物との外には、それを見いだすことができなかった。 (大沢章訳、前掲書、274頁)