Book-Lover's Enchiridion

Enchiridion 15 ペルシアの格言 その2

ペルシアの格言 彼らはその誉れ最も高き賢者に向かって尋ねた。如何にしてそのような知の高みにまで至ったのか、と。賢者こたえて曰く、「己の未だ知らぬことを、何でも躊躇わずに問うていったのである。汝らも知らぬことがあれば何でも問うがよい。その僅か…

Enchiridion 14 インドの格言

インドの格言 行い正しい人の口から出る言葉は、 滑りやすい場所での杖のようなものである。 〔『ティルックラル―古代タミルの箴言集』 第2篇第42章415、高橋孝信訳、平凡社(東洋文庫660)、1999年、76頁〕※ Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enc…

Enchiridion 13 ペルシアの格言

ペルシアの格言 賢者は愚者を見分けることができる。彼もまたかつて愚者であったから。だが愚者は賢者を見分けることができない。いまだかつて賢者であったためしがないのだから。※ Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enchiridion, 5th ed., London…

Enchiridion 12 パウロ

パウロ A.D.65 かつて書かれたものはみな、われらを教え導くためのもの (ロマ15:4)みなともに学び、みなともに励まされるように (1コリ14:31) Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enchiridion, 5th ed., London, Simpkin, Marshall & Co., 1888,…

Enchiridion 11 小プリニウス

小プリニウス A.D.61-105以後※ 叔父プリニウスは常々こう言っていた。「どこも役に立たないほど駄目な本などない」と。 『書簡集』 第3巻4 よく言われるように、多読ではなく精読をすべきでなのである。 同上 第7巻9 Alexander Ireland (ed.), The Book-Love…

Enchiridion 10 クインティリアヌス

クインティリアヌス A.D.42-115※ 〔判断力を鍛えるにあたり、弁論を耳から聴くという方法に比べて〕読書という方法では、偏った判断に陥らずにすみ、激しい弁舌で煙に巻かれることもなく、確かめたいとき、記憶に留めたいときに同じ箇所を何度でも読み返すこ…

Enchiridion 9 アウルス・ゲッリウス

アウルス・ゲッリウス A.D.117頃-180※ 若者の人品は、至言によって矯められるよりもむしろ、誤用悪用された言葉によって損われることの方が多い。『アッティカの夜』12.2 Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enchiridion, 5th ed., London, Simpkin,…

Enchiridion 8 プルタルコス

プルタルコス A.D.46-120 書物は甘菓子の如く、その旨味ばかりを愛でるべからず、滋養効果をこそ珍重すべし。どちらも捨てがたき魅力なれど、後者をもって長所とすべし。※ Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enchiridion, 5th ed., London, Simpkin…

Enchiridion 7 セネカ

※注意:編者Irelandによる倫理書簡からの引用(英訳のみ)はかなり不正確、というか創作に近い。 セネカ B.C.58-A.D.32 ※1 肝心なのは、どれだけたくさんの書物を持っているかではなく、どれだけ優れた書物を持っているかである。※2 学問もせずに余暇を過ご…

Enchiridion 6 ホラティウス

ホラティウス B.C.65-8 一再ならず十度読んでなお楽しいものもあるだろう。※ 「詩論」365 ああ、我が農園よ。何時になることか。お前をこの目で眺める日は。何時になることか。先人の書巻に沈潜し、惰眠を貪り、無為に身を任せて、憂いなき人生を楽しむこと…

Enchiridion 5 キケロー

キケロー B.C.106-41※ 他の学問は、どんな時にも、どんな年齢にも、どんな場所にも適当というわけにはいかない。しかし、この学問(文学)は、青年の精神を研ぎ、老年を喜ばせ、順境を飾り、逆境には避難所と慰めを提供し、家庭にあっては娯楽となり、外にあ…

Enchiridion 4 プラトン

プラトン B.C.427-347 書物は、その父を神にまで高める不滅の息子である。※[(上記と正反対の見方ではあるが)書物と話し言葉とを対比した以下の節も引用に値する。「プラトンの書きぶりは、」とJ.マーティノー博士は評する。「この節に見られるように、法律…

Enchiridion 3 アレクサンドリア図書館の銘

アレクサンドリア図書館の銘 B.C.300頃創設 「魂ノ糧」※ あるいはディオドロスによれば、 「精神ノ薬」 Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enchiridion, 5th ed., London, Simpkin, Marshall & Co., 1888, p.1. ※出典不詳。ディオドロス(Diodoros,…

Enchiridion 2 ソクラテス

ソクラテス B.C.468-399 暇さえあれば人々の著作を読んで自分自身を高めなさい。彼らの骨折りの成果を容易く我がものにできるのだから。富よりも知識を好みなさい。富ははかなく、知識は不滅なのだから。※ Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enchir…

Enchiridion 1 ソロモン

ソロモン B.C.1033-975 知恵アル者ト共ニ歩ム者ハ知恵ヲ得ン(箴13:20) 如何ニ善カラズヤ、時ニ適ヒテ出デシ言ノ葉 (箴15:23) 汝傾ケヨ、心ヲ教へニ、耳ヲ智言ニ (箴23:12) Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enchiridion, 5th ed., London, S…