糺の書の森にて

下鴨納涼古本まつりで買ったもの。

  • 澁谷榮一 『詩壇人國記』 交蘭社、1933年1月11日


日本の詩人を出身県・地方ごとに分類して紹介。台湾・朝鮮・関東州の詩人も含む。5000円とたいへん悩ましい値段だったが、滋賀県の項に「高祖保」の名を見つけたので購入を決断。本書刊行時、高祖保は23歳でまだ國學院の学生だった。椎の木社から処女詩集『希臘十字』を出すのは1933年8月25日だが、それ以前より詩人として認知されていたことが本書で分かる。ただし、索引では「タ行」に入れられ、「高裡祖 保(滋賀)」と表記されている。

  • 『きりん』 1962年8月号(通巻169号)


竹中郁が詩友の坂本遼・足立巻一らと出していた児童雑誌。残念ながらこの号は、大阪で元尾崎書房の浮田要三と星芳郎が編集していたころのものではなく、発行所が東京の理論社に移ってからのもの。500円也。

  • 林喜芳 『わいらの新開地』 冬鵲房、1981年


神戸の詩人による、古き良き日の新開地の思ひ出。1000円也。


古本や本にまつわるエッセイ集。タイトルは小出楢重「枯木のある風景」へのオマージュで、口絵にも使われている。表紙の挿画も小出楢重谷崎潤一郎「蓼喰ふ蟲」の挿画)。著者のことは知らない。手に取ったのは、野呂邦暢が序文を寄せていたから。「ここに収められたエッセイは私をくつろがせる」とある。なるほど、野呂のエッセイにも一脈相通じるところがなくはない。700円也。

  • 外村繁 『岩のある庭の風景』 講談社、1957年


装幀・芹沢けい介。700円也。

  • 福本雅一 『讀書の詩 上』 アートライフ社、2005年


『四庫全書』集部より、読書に関する詩を集めたアンソロジー。500円也。書き下し文・語釈・現代語訳・解説も付いた労作。下巻も欲しい。


そして、

の内容見本。各300円也。