Enchiridion 26-3 モンテーニュ その3

私は家にいると、割合頻繁に書斎に通う。そしてそこからやすやすと家事を監督する。入口の上にいるから、すぐ下の庭園と家畜小屋と中庭と、わが家のたいていの建物が見おろせる。私はそこでときにはある書物を、ときには別の書物を順序も目的もなくぱらぱらとめくる。ときには夢想をし、ときには歩き廻りながら、ここにあるようなとりとめもない夢を記録し書きつづる。

『エセー』 第3巻第3章「三種の交わりについて」
〔『エセー (五)』 原二郎訳、岩波文庫、1967年、76-77頁〕


Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enchiridion, 5th ed., London, Simpkin, Marshall & Co., 1888, p.25.