飛騨高山

江戸から飛騨高山経由で江州彦根に帰省する。
名古屋で高山本線に乗り換えて列島を縦断、富山から北陸本線米原へ、という大きな逆S字を描くルートをとる。
一日目は飛騨高山に滞在。
古い町並は後回しにして、まず高山市図書館を見に行く。

レトロな図書館棟「煥章館」は、明治時代同地にあった「煥章学校」を模したもの。この学校は飛騨最初の近代的学校建築で、手がけた棟梁は高山出身の作家・瀧井孝作の祖父だったという。
2階には高山市近代文学館が併設されている。中が暗いので開いてないのかと思ったが、どうやら自分で電気をつけて見て、出る時に消していくシステム(?)のようだ。瀧井孝作ら高山出身の作家や地元の文芸活動にまつわる品々が展示されている。高山ゆかりの文芸作品や郷土史関係の書籍は、ここの閲覧コーナーに集められている。また、入口近くでは瀧井孝作の書斎が再現されている。解説パネルによると、彼はドラえもんみたいに押し入れの中で寝ていたそうな。
文学好きの観光客にも楽しめる図書館である。

格天井が見事な高山市政記念館(明治に建てられた旧町役場)を見たあと、


古い町並に足を踏み入れたのだが、


人通りの多さに辟易して、素通り。

雨が降り出したので遠出はせず、高山陣屋へ行く。

復元部分も多いが、江戸時代の郡代役所で現存しているのはここだけだという。
この建物の屋根はすべて板葺き。ネズコという木の丸太を縦に割って作った板(榑)が幾重にも重ねられている。年輪が縦縞になるので、雨水が流れ落ちやすい。

ガイドの人が博識で、しかも話がうまい。玄関から畳・便所にいたるまで、建物の造りを当時の身分制度とからめて詳しく説明してくれる。
泊まった民宿からは飛騨国分寺の三重塔が見えた。