Enchiridion 25-3 ロジャー・アスカム その3

確かに常套句集は、人を整理された一般的知識へと導き、読んで学んだ事柄を整然と引用させ、確かな主題に向かわせ学習を散漫にさせないために、欠くべからざるものである。※ だが、いつも抜粋集や常套句集と首っ引きで、規則正しい学習を日々課されず、聖書のほかは優れた学者の書も熱心に読まず、一者の権威とその他大勢の言をはっきり差別するように教えられると、よくある見掛け倒しで日焼け顔の教師がたくさん生まれることになる。その学識は夏の暑気の中で身についたものなので、クリスマスの雪で洗い流されてしまう。

『教師論』 第2巻


Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enchiridion, 5th ed., London, Simpkin, Marshall & Co., 1888, p.21.

※ここで次の一文が省略されている。「そのために命題集の師ペトルス・ロンバルドゥスと、われらが時代のフィリップ・メランヒトンは、かの二冊の有名な常套句集を著したのである。」