Enchiridion 23 マキァヴェッリ

ニッコロ・マキァヴェッリ 1469-1527

晩になると、家に帰って書斎に入ります。入口のところで泥や汚れにまみれた普段着を脱ぎ、りっぱな礼服をまといます。身なりを整えたら、古の人々が集う古の宮廷に入ります。私は彼らに暖かく迎えられて、かの糧を食します。その糧は私だけのもの、そして私はその糧を食べるために生まれてきたのです。私は臆することなく彼らと語り合い、彼らがとった行動について理由を尋ねます。すると彼らは誠心誠意答えてくれます。四時間もの間、退屈など少しも感じません。あらゆる苦悩を忘れ、貧乏への恐れも死に対するおののきも消え去って、彼らの世界に浸りきるのです。

Opere di Machiavelli, Edizione italiana, 1813, vol.viii. [Translated by E.H.]
〔フランチェスコ・ヴェットーリ宛書簡 1513年12月10日 (『マキァヴェッリ全集6』 和栗珠里ほか訳、筑摩書房、2000年、244頁)〕

Alexander Ireland (ed.), The Book-Lover's Enchiridion, 5th ed., London, Simpkin, Marshall & Co., 1888, p.18.